第1回マスジド代表者会議「日本のムスリム・コミュニティを語る」
主催:早稲田大学人間科学学術院・アジア社会論研究室
2009年2月11日(水曜) 13時より16時30分まで。
   場所:早稲田大学大隈記念タワー(26号館)302会議室
参加:
1、大塚(イスラミック・トラスト・オブ・ジャパン)・・・永井彰、アキール・シッディーキー
2、横浜マスジド・・・メモン・ムハンマド・アンワル
3、イスラミック・サークル・オブ・ジャパン(浅草)・・・イシュラット・アリ・ハーシミイ
4、イスラミクセンター・ジャパン・・・セサリームッラフマーン・ハーン
5、日本ムスリム協会・・・樋口美作
6、戸田マスジド・・・・ライース・スィッディーキー
7、名古屋マスジド・・・クレシー・アブドルワッハーブ、アブドルレカ
8、新居浜マスジド・・・浜中彰
ほかオブザーバーも含め約50名の参加。

 主催者である早稲田大学学術院は、国内のムスリムコミュニティーのフィールドワークを幾度も行っており、各地域の代表、団体の代表とも面識がある。こうして呼びかけに応じて多数の代表が集まったことは、早稲田の積み重ねてきた努力の成果でもあると思える。参加団体以外にも、札幌、タブリーグジャマーアート、福岡、京都文化センターなども呼びかけていたが、残念ながら代表者が都合がつかず参加できなかったようである。
 これら厳選された参加者は、感心するほど的を得ており、国内のほとんど全てのマスジド・団体を網羅できるキーパーソンを召集したことになる。具体的には;
1、大塚マスジド・・・イスラミック・トラスト・オブ・ジャパンとして都内のムサッラーと埼玉県のマスジドを統括。
2、横浜マスジド・・・神奈川県内のマスジドとムサッラーを統括
3、浅草マスジド・・・イスラミック・サークル・オブ・ジャパンとして東武伊勢崎線沿線のマスジドを統括
4、イスラミックセンター・・・日本を代表する団体。
5、日本ムスリム協会・・・日本で最も古い団体。
6、戸田マスジド・・・・パキスタン人の多数が加わる団体の本部的存在
7、名古屋マスジド・・・東海地域のマスジドを統括。特に名古屋マスジドと岐阜マスジド。
8、新居浜マスジド・・・中国・四国地方。イスラムのホームページを運営。
欠1、札幌マスジド・・・北海道地方。
欠2、タブリーグジャマーアート・・・埼玉県の一ノ割マスジドに本部を置き、その他国内のいくつかの地点でマスジドを運営する全国組織。
欠3、福岡マスジド・・・九州地方。
欠4、京都マスジド・・・京都文化センターとして、講演会等を企画、小冊子発行、イスラーム相談室運営など全国的な活動。
 こうした国内のリーダーの集まりは、本来イスラム団体が行うべきものではなかったかとの声が聞かれたくらいだ。
司会:早稲田大学社会科学総合学術院 小島宏教授 挨拶:早稲田大学人間科学学術院 店田廣文教授
会議の雰囲気1 会議の雰囲気2
10分間の発表であるが、ほとんど全てが制限時間オーバー。写真は横浜マスジドのメモン広報部長。 日本ムスリムの概況と題して日本ムスリム協会樋口前会長発表。
主催者・発表者記念撮影
●会議のプログラム
13:00-13:05 開会の挨拶          早稲田大学人間科学学術院 店田廣文
13:05-13:10 イントロダクション      早稲田大学人間科学研究科 岡井宏文

13:10-14:40 各モスク代表者による報告 (1団体、10分間)

  13:20 大塚
  13:30 神奈川
  13:40 イスラミック・センター・ジャパン
  13:50 イスラミック・サークル・オブ・ジャパン
  14:00 名古屋
  14:10 新居浜
  14:20 戸田
  14:30 日本人ムスリムの概況・・・・日本ムスリム協会・前会長  樋口美作氏

14:45-15:15 休憩と礼拝  ( 14:54    サラート(ASR)  )

テーマ・セッション
 T.15:15-16:15 日本のムスリム・コミュニティの将来
         (モスク代表者・関係者による意見交換)
 U.16:15-16:25 意見交換・質疑応答

16:25-16:30 閉会の挨拶           早稲田大学人間科学学術院 店田廣文

●あらかじめ与えられたテーマ
・各地のムスリム居住者の暮らしの現状
・各地のモスクの活動状況
・モスク周辺の地域社会や地域住民との関係

・ 直面している問題あるいは将来の課題
・ その他、特に伝えたいこと。

●議論された主な内容(会議内と会議外の個別懇談も含めた内容)
・各マスジドの日本社会で共生するための努力。
  地域のイベント・自治会活動などに積極的に参加。
  マスジド周辺でのマナーを徹底。
  地域の人たちへの理解を得るための働きかけ。
・経済の悪化によりインドネシア人などの労働者の解雇が昨年から顕著に表われている。
・第2世代・第3世代の教育問題。
・日本人ムスリムがムスリムコミティーを先導するくらいの活躍を期待する。
・外国人ムスリムは日本人ムスリムを受け入れる努力をするも、日本人はマスジドに足を運ばない。
  原因は日本人ムスリムの信仰心のなさにある。(日本人参加者の意見)
  外国人ムスリムの努力は的をえてないのではないか?(外国人参加者の意見)
・全国組織のマスジドネットワーク確立が必要。
  情報を共有し、協働することが求められる。
  イスラム団体が、マスジドネットワークを利用すべき。