尺八と悟り
投稿者:うんむらふま 投稿日:2004/08/06(Fri) 00:26少しお話させて下さい。 先日、掲示板上でお話してくださった”一音成仏”がとても気になって私なりに調べて見ました。これはー普化尺八ーにおける「悟り」の境地を示す言葉で、”一音”とは文字どうり一つの音で”一息”と置きかえることもでき、尺八を吹く行為はその一息に命をかける行為であり、それを「行」としてとらえることで「悟り」に向かう方向が示されることになる・・・とありました。普化宗とは普化禅師を始祖とした禅宗の一派で、時代劇に出てくるー着流しに(天蓋)独特な深編笠をかぶり尺八を吹きながらさまよう僧ーこれが虚無僧と呼ばれる普化宗の僧です・・・。尺八は日本には奈良時代に中国から伝来し、当初は雅楽の楽器として用いられましたが普化宗の僧侶が、尺八を使った呼吸の鍛錬で悟りを開く行法のために使われるようになりました・・・。日本に禅宗が確立したのは栄西による臨済宗〜看話禅〜と、道元による曹洞宗〜黙照禅〜いずれも鎌倉時代であり、臨済宗は幕府の保護を受け大寺院を建立し、曹洞宗はそれを嫌って地方の武士層に受け入れられた・・・。私が住むこの市に、大きな曹洞宗の禅寺があります。長い歴史の中で土地の人達が大切に守ってきた”瑞応寺”というその寺は、この辺ではとても有名です。冬になると修行僧が素足に藁草履・編み笠姿でふもとの町まで托鉢に降りてきます。普化宗の禅は臨済宗の流れをくみますが、曹洞宗の禅は沈黙してもっぱら座禅し悟りを開くというものです。ですからその寺からは、一切音というものは流れてきません。山の中にひっそりとあるその様子は、きっと心を打つものがあるはずです。・・・これでは土地の名所旧跡案内ですね。失礼しました。とても興味深い話を得ることができました。知らなかったことを知るって、本当に心がわくわくしますね。きっかけを作ってくれた ななさんに感謝します。


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