『玄語』第15号草稿本  

 原文資料と訓読 


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☆17表

図下(章のタイトル)

二分(図のタイトル)
一気分於in昜大形分於天地故天地in昜者
混成干気形之中気形者粲立干天地in昜之

二分(にぶん)
一気はin昜に分かつ。大形は天地に分かつ。
故に天地・in昜は気・形の中に混成す。
気・形は天地・in昜の間に粲立す。

(図中の文字) 形  気




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☆17裏

四剖(図のタイトル)

謂之天地者自形言之名也。謂之in昜者自気
言之名也。是以以天地分之則無in無昜不天
者皆地也。不地者皆天也。以in昜分之無天無
地不in者皆昜也。不昜者皆in也。是以天亦一
in昜地亦一in昜in亦
一天地昜亦一天地

四剖(しほう)
之を天地と謂ふは、形より言ふ名なり。
之をin昜と謂ふは、気より言ふ名なり。
是を以て、
天地を以て之を分てば、則ち、inと無く、昜と無し。
天ならざるは皆地なり。
地ならざるは皆天なり。
in昜を以て之を分てば、(則ち)天と無く、地と無し。
inならざるは皆昜なり。
昜ならざるは皆inなり。
是を以て、
天も亦、一in昜、地も亦、一in昜、
inも亦、一天地、昜も亦、一天地なり。

(図中の文字)  天
         in     昜
           地

☆18表

八析(図のタイトル)

天亦一in昜。地亦一in昜。in亦一天地。昜亦一
天地。是天地之所剖判。万物之所錯綜。剖判錯
綜、品彙
皆具。

八析(はっせき)
天も亦、一in昜、地も亦、一in昜。
inも亦、一天地、昜も亦、一天地なり。
是を以て、
天地の剖判する所、万物の錯綜する所なり。
剖判・錯綜、品彙皆具す。

(図中の文字) 天気
      天in     天昜
          天
     質  in   昜   象
          地
      地in     地昜
          地気




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☆18裏

正対(図のタイトル)

気形相望而反。雖反而気形不可分。然而挙天
之諸対、対地之諸対。故謂之正対。又謂之天地
対。天地之対者、蓋、
成in昜之能相対。

正対(せいたい)
気・形は、相望みて反す。
反すと雖も、気・形は、分かつべからず。
然れども、天の諸対を挙げて地の諸対に対す。
故に、之を正対と謂ふ。
又、之を天地対と謂ふ。
天地の対は、蓋し、in昜の能く相対するに成る。

(図中の文字) 影   景
          天気
     月 天in   天昜  日
      質        象
     水 地in   地昜  火
          地気
        湿   燥

☆19表

傍対(図のタイトル)

気形相望而応。雖応而気形不可混。然而挙in
之諸対、対昜之諸対。故謂之傍対。又謂之in昜
対。in昜之対者、蓋、
成天地之能相対。

傍対(ぼうたい)

気・形は、相望みて応ず。
応ずと雖も、気・形は、混ずべからず。
然れども、inの諸対を挙げて昜の諸対に対す。
故に、之を傍対と謂ふ。
又、之をin昜対と謂ふ。
in昜の対は、蓋し、天地の能く相対するに成る。

(図中の文字) 影    景
            天気
      月  天in   天昜  日
       質  in 昜   象
      水  地in   地昜  火
            地気
         湿    燥


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☆19裏

正傍混成(図のタイトル)

正対in昜交、傍対天地合。正対天地位傍
対in昜序。粲立而剖析不窮。混成而莫有


正傍混成(せいぼうこんせい)

正対してin昜交り、傍対して天地合す。 (注)送り仮名=合ス
正対して天地位し、傍対してin昜序す。
粲立して剖析すれば窮はまらず。
混成して罅縫あること莫し。

(図中の文字) 影   景
          天気
     月 天in   天昜  日
          天
      質 in   昜   象
          地
     水 地in   地昜  火
          地気
        湿    燥

☆20表

気形剖析(図のタイトル)

気中in昜析、形中天地析。雖in昜天
地能相剖析、気自気也、形自形也。

気形剖析(きけいほうせき)

気中、in昜析し、形中、天地析す。(注)送り仮名=析ス
in昜・天地、能く相ひ剖析すと雖も、
気は自ら気なり。形は自ら形なり。

(図中の文字)前図に同じ



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☆20裏

in昜剖析(図のタイトル)

in中剖気形、昜中剖気形。雖気形
能相剖析、in自in也、昜自昜也。

in昜剖析(いんようほうせき)

in中、気形剖し、昜中、気形剖す。
気形、能く相ひ剖析すと雖も、
inは自らinなり、昜は自ら昜なり。

(図中の文字)前図に同じ

☆21表

剖析混成(図のタイトル)

分此、合彼、分彼、合此。一
之所混成、二之所粲立。

剖析混成(ほうせきこんせい)

此に分れて、彼に合し、彼に分て、此に合す。
一の混成する所、二の粲立する所なり。

(図中の文字)前図に同じ



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☆21裏

錯綜(図のタイトル)

形対形、気対気。故類則相同。in対昜、天対地。故
位則相異。異位同類。故能相錯綜。不知錯綜、則
不知一気之氤
●、万物之変化。
(注)●= 气(きがまえ)のつくりは「慍」のつくり
(注)氤●いんうん=気のさかんなさま

錯綜(さくそう)

形は形に対し、気は気に対す。故に類は則はち相同じ。
inは昜に対し、天は地に対す。故に位は則はち相異なれり。
位を異にし、類を同じうす。故に能く相錯綜す。
錯綜を知らざれば、則はち一気の氤●、万物の変化を知らず。

(図中の文字)前図参照

☆22表

正交互(図のタイトル)

経謂応対、天地相交而in昜同類。緯謂反対、
天地相分而気形同類。in昜雖同類還隔天
地。気形雖相
類還隔in昜。

正交互(せいこうご)

経を応対と謂ひ、天地相ひ交はりて、in昜類を同す。
緯を反対と謂ひ、天地相ひ分かって、気形類を同す。
in昜、類を同すと雖も還て天地を隔つ。
気形、相ひ類すと雖も還てin昜を隔つ。

(図中の文字)前図参照



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☆22裏

反交互(図のタイトル)

遠者相疎。近者相親。疎
者反天地。親者反気形

反交互(はんこうご)

遠なる者は相ひ疎なり。
近なる者は相ひ親なり。
疎なる者は天地を反す。
親なる者は気形を反す。

(図中の文字)前図参照

☆23表

正反混成(図のタイトル)

正反混成(せいはんこんせい)

(図中の文字)前図参照



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☆23裏

全体(図のタイトル)

一者混而分矣。二者粲而合矣。無不分者。無不
全者。於是観天地以隔而分、以通而全。

全体(ぜんたい)

一は混として分る。
二は粲として合す。
分れざる者無し。
全からざる者無し。
是に於いて、天地は隔を以て分ち、通を以て全きことを観る。

(図中の文字)前図参照

☆24表

(図のタイトルなし)

(図中の文字)字が小さ過ぎて読めない





  ☆24裏  [目次]


  (白紙)  





 

●原文●半丁9行・1行20字

☆25表      [目次]

対待者。天地之道in昜之事。条理之所分也。気形反
物依而弗離。in昜反跡。混而弗分。雖in昜可以分気
形。気形亦各有in昜。故対正傍剖析錯綜交互。能分
能合。二粲而立。一混而成。正対者。天地相対。傍対者。
in昜相対。剖析者。in昜気形。各相分。各相合。錯綜者。
気形同類。天地異位。交互之正者。天地相応。気形同
類。交互之反者。近者相親。遠者相疎。合之則分有条
理。観二之不混。分之則合無罅縫知一之不離。故依
其目。則各対粲立。通其道則実対混成。夫in昜者。天

 

☆25裏

地之跡。天地者。In昜之物。錯綜剖析。万物変化。未知
条理。奚足語天地焉。
[割註双行/或曰。既曰一元気即in昜。則in昜者一々之分也。而
亦曰一混成。二粲立。一全。二偏者。何。曰。一機不偏〓
跡。已露一之跡焉逃与二対然粲不在混外。偏不出
全中則一即二。二即一。而粲立。両露一々之分也哉。]

 

●訓読●

☆25表

対待は天地の道、in昜の事なり。条理の分るる所なり。
気形、物を反し、依りて離れず。
in昜、跡を反し、混として分れず。
in昜は気形を分かつ可きと雖も、気形は亦各々in昜有り。
故に、対の正・傍・剖析・錯綜・交互、能く分れ、能く合す。
二、粲として立つ。一、混として成る。
正対は、天地相ひ対す。
傍対は、in昜相ひ対す。
剖析は、in昜・気形、各々相ひ分れ、各々相ひ合す。
錯綜は、気形、類を同にし、天地、位を異にす。
交互の正は、天地、相ひ応じ、気形、類を同にす。
交互之反は、近き者は相ひ親み、遠き者は相ひ疎なり。
之を合すれば、則ち分れて条理あり。
二の混ぜざるを観て、之を分てば、則ち、合して罅縫無し。
一の離れざるを知る。故に
其の目に依れば、則ち、各対、粲立す。
其の道に通ずれば、則ち、実対、混成す。
夫れin昜は天[25裏]地の跡なり。
天地は、in昜之物なり。
錯綜、剖析、万物変化は、未だ条理を知らず。
奚ぞ、天地を語るに足らん。
[割註双行/
或るひと曰く。既に、一元気は即ちin昜と曰ふ。
則ちin昜は一々の分なり。
而るを亦た、一混成、二粲立、一全、二偏と曰ふは、何ぞや。
曰く。一機は跡を偏〓せず。已に一の跡を露す。
焉んぞ二と対することを逃れん。
然して、粲は混外に在らず。偏は全中を出さず。
則ち、一即二、二即一なり。
而して粲立、両露、一々の分なるかな。]

 


[第15号草稿の目次]

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