あらゆる称賛は、慈愛溢れるアッラーのもの。御使い、その一家と教友たちに祝福と平安がありますように。

信者たちよ、良いホトバは数多く存在するのだが、それによる実行が不足してはいないであろうか。

アッラーは、クルアーン・婦人章において次のように述べておられる。

「たとえ、われが彼らに、『身命を捧げなさい。ないし、家から出てゆきなさい。』と命じても、彼らの少数の者の他はそうしなかったであろう。もし、彼らが勧められるように行ったならば、きっと彼らの為にも良いのであり、もっと（信仰が）強まったのだが。」「その時は、わが許から必ず偉大な報酬を授け、」「われは彼らを必ず正しい道に導くのである。」（4章　66--68節）

イスラーム学者サアディ師は、タフシール（クルアーン注釈）を通して次のように解説している。もしも命令に、しもべたちに身命を捧げなさいとか、家から出てゆきなさいと書かれていたら、実行するのは少数の者に過ぎないと言うことである。そして実行する少数の者は、行うのが困難ではなく全ての人によって容易に行うことが出来る命令をもって物事を易しいものにして下される主に対して感謝しながらそれを行ったであろうと言うことである。人々が教えられる通りに実行し、それも最善を尽くし、命令されたことに全力を投じるなら、その者たちにとってもとても良い事なのだがと、アッラーは述べておられる。サアディ師は、アッラーの命令に従うとはどういうことなのかに関し四つの項目を掲げ解説している。アッラーの命令に従う時には、また命令されている事柄を我々が受け入れ実行する時には、いったいどうなるというのであろうか。

1 いわゆる善良ということ：　命じられている良いことを実行する善良な人間ということであり、人として好ましく、悪い人間からかけ離れている。

2 信仰心が安定し向上しつつあるということ：　主は、信仰心篤く、信仰の故に善行を行おうとする者を支えて下される。信仰とはアッラーが命令することを実行することであり、アッラーは、そうした者が大きな困難に出会ったなら、現世において正しい道に留まる事が出来るようにして下される。即ち、その者は命令された通りに実行する結果、大きな困難から守られるのである。そして、良いしもべは、それらの命令を好ましいものと感じ、アッラーの命令を実行するのを常とする人間であろうとする。そしてこのことが、その者が正しい道にしっかりと留まり、善行を行おうとする支えとなるのである。

3 アッラーからの報酬：アッラーは、その者に大きな報酬を与えて下される。

4 真っ直ぐな道への導き：　その者は真っ直ぐな道から外れることなく現世で幸せと成功を手にし、アッラーは、その者を良い方向へと導き、悪事や危害から遠ざけて下される。



信者たちよ、我々はアッラーと預言者さま（祝福と平安を）が命令なされ教えられる事を実行しなければならないのである。アッラーは、クルアーン・婦人章及びサード章において次のように述べておられる。

「アッラーと使徒に従う者は、アッラーが恩恵を施された預言者たち、誠実な者たち、殉教者たちと正義の人々との仲間となる。これらは、何と立派な仲間であることよ。」（4章　69節）

「また、わがしもべのイブラーヒーム、イスハーク、ヤーコブを思い起こしなさい。彼らは威力を持ち、洞察力を備えていた。」（38章　45節）

これら預言者は知識と実行の両方に長け、我々が良いムスリムであろうとするときの御手本である。我々は説教を耳にし、学習する時、それが良い話であると感心するだけではいけない。我々は、心を動かす説教であるとか、良い話であると感心するに留まり勝ちであるが、その段階を越えて、実行するという次の段階へと進まなければならない。語られ耳にしたことを、今度は自らが繰り返し語り、次には、語りの中味の教えを守ろうとし、それを実行しなぞっらなければならないのである。即ち、教えに従い行動しなければならないということであり、舌先だけではないということである。我々は教えを実行委し、現世と来世において自らを救う為に最善を尽くさなければならないのであり、言葉を聞き、その内容に従って実行しようと最善を尽くす者はアッラーにより導かれた者であり、アッラーからの御導きを本当に理解する者である。



アッラーよ、私たちを、あなたさまを何時でも顧みる善い信者の一人となるように御導き下さい。

アッラーよ、私たちが正しい道を歩む事が出来るように御加護下さい。私たちの信仰心を強くして下さい。

アッラーよ、日本中に、世界中にイスラームを広められるように御力添え下さい。

アッラーよ、イスラームとムスリムたちの為に奉仕出来るように力と御加護を御与え下さい。

アッラーよ、病気の者たちを御治し下さい。仕事の無い者たちに清い仕事を御与え下さい。

アッラーよ、仕事に成功を、そして安心と安全を御与え下さい。アミィーン。