11/6/2010
マスジド大塚金曜日礼拝ホトバ 要約 (2010年6月11日)
――ムスリムにとって大切な4つの事柄 その2――

あらゆる称賛と感謝は、萬養育の主アッラーのもの。誠実で信頼できる、最良の品格の持ち主である預言者ムハムマドに祝福と平安がもたらされますように。

信者たちよ、預言者さま(祝福と平安を)は、次のように述べておられる。「4つの事柄を自分のものとするならば、そのどれをも逃してはならない。その4つとは、信用を保つこと、真実を語ること、良い品格、清純(清いものを摂取すること)である。」 先週の金曜日のホトバでは、これら4つの事柄の2つにつて語った。今日は残りの2つについて語りたい。
3.第3番目の事柄:良い品格
良い品格を損なう人と係わりなさい。あなたに害をもたらす人を許して上げなさい。あなたに害を与える人に親切を尽くしなさい。これらが良い品格である為の采配を握る鍵である。あなたがこれを自分のものとしているなら、その時には間違いなくあなたは良い品格の持ち主である。更に、良い品格の人は、陽気な面持ちであり、奉仕の用意が常に出来ており、他人を害することはない。その上、良い言葉で語り、危害に耐え怒りを抑える。預言者さま(祝福と平安を)はアブー・フライラ(平安を)に次の様な助言を行っている。「『アブー・フライラよ、あなたは良い品格であらねばならない。』 するとアブー・フライラは質問します。『アッラーの御使いさま(祝福と平安を)、良い品格とはどうあることでしょうか。』 預言者さま(祝福と平安を)は答えられた。『良い品格を損なう人と係わりなさい。あなたに悪いことをする人を許して上げなさい。あなたに害を与える人に親切を尽くしなさい。』」 

また別の、次のようなハディースがある。「淫らであることや淫らな話はイスラームに似つかわしくない。最良のムスリムとは、良い品格を備えた者である。」「良い言葉で語るのはサダカである。」 ほほ笑みはムスリムにとって何らの負担にはならないものの、ムスリムの兄弟に微笑みかけるなら、そこには報酬が伴うのである。預言者さま(祝福と平安を)は述べておられる。「ムスリムの兄弟へのほほ笑みはサダカである。」 

怒りを抑えられる様に自分自身を鍛錬しなさい。このことは、あなたの他人への配慮、良い言葉、陽気な面持ちとなって、周囲の人々、即ち、自分の両親、配偶者、子供たち、知人に安心感を与えることであろう。そして、それらの全てのことによって、あなたは報酬を得ることになるだろう。

日本に住む信者たちよ、あなたたちは,非ムスリムの中で生活している。それ故に、人々はあなたの立ち居振る舞いに注目している。それでもし、あなたの立ち居振る舞いが良く、あなたの品格が良ければ、人々はあなたに良い印象を抱くだろう。彼らは、あなたを信頼し、受け入れようとするであろう。非ムスリムの人々に微笑みかけることは良いことではないと言う者があるが、これは間違った考えである。あなたは彼らにほほ笑みかけるべきである。あなたは彼らに陽気な面持ちで接しなければならない。あなたは、良い品格でアッラーの宗教に仕えていることであろうから、ムスリムとして良い品格であり、ムスリムにも非ムスリムにも優しくするということである。そのことが、あなたが住む社会に対する、イスラームの実際的な宣伝となるのである。預言者さま(祝福と平安を)は述べておられる。「良い品格を通じて人は、何時も夜中に礼拝し、昼間断食斎戒するような人のレベルに到達する。」
4.第4の事柄:清純(清いものを摂取すること)
あなたは、どこから食べ物や飲み物を得、どこから着る物を得ているか。ハラルの出所から得ているならば、お祝いの言葉を述べられるに値する。その一方で、そうではないところから得ているならば、ハラムからのものを飲食し、着ている事となり、そこには破滅が待っている。預言者さま(祝福と平安を)は述べておられる。「食べ物がハラルである者は、お祝いの言葉を述べられるに値する。」 ムスリムたる者は、自分の食べ物として、ハラルのものを準備しようと最善を尽くす。要するに、アッラーが禁じておられたものは食べないと言うことであり、彼らは、ハラムの出所からのものは摂取しないと言うことである。預言者さま(祝福と平安を)は述べておられる。「アッラーは清純であり、アッラーは清純であるものだけを受け入れられる。」 アッラーは、諸預言者に命じられたと同じに、信仰する者にも命じておられるのである。
アッラーは、クルアーン・信者たち章及び雌牛章において次のように述べておられる。
「あなた方使徒たちよ、良い清いものを食べ、良い行いをしなさい。…」(23章 51節)
「信仰する者よ、われがお前たちに与えた良いものを食べなさい。」(2章 172節)
預言者さま(祝福と平安を)は、この事に関連する次のことを述べておられる。「その男は長い旅をし、髪は乱れ、手脚は汚れており、そして、我が主よ、我が主よ、と言いながら天に向けて両手を広げるが、非合法のものを食べ、非合法の稼ぎにより衣と住を賄っている。彼は決して主からの御応えは頂けない。」 ハラルのものを摂取するのでないなら、アッラーは、その者の行いの受け入れも、行いの価値の引き上げもなさっては下さらない。

アブバクール師(平安を)についての良い例がある。アブバクール師(平安を)の召使いが得た食べ物の一部を主人に差し出し、主人であるアブバクール師(平安を)はそれを食べていた。或る時、召使いが食べ物を持ってきて、アブバクール師(平安を)はそれを食べた。すると、召使いが、この食べ物をどうして得たか知りたくはないですかと言うので、同師は尋ねたのであった。召し使いが言うには、「自分はイスラームが広まる前に或る男の為に占い師を務めたが、それが得意ではなくて彼の期待を裏切りました。今日、彼は私に会って、その占い師としての報酬をくれました。あなたが食べたのはそれからのものです。」 それを聞くや、アブバクール師(平安を)は、自分の指を口に入れ、食べた全部を吐き出したのでした。即ち、教友たちが、この様にしてハラルのものだけを摂るように努めていたという、一つの例である。

さて、次ぎのハディースが伝わっている。「イブヌ・アッバース師(平安を)が、預言者さま(祝福と平安を)を前にして、クルアーン・雌牛章168節『人々よ、地上にあるものの内、良い合法的なものを食べ、悪魔の歩みに従ってはならない。…』を朗唱した時に、サアド・ビン・アビ・ウッカスが立ち上がり、『アッラーの御使いさま(祝福と平安を)、私をあらゆる懇願が受け入れて頂ける一人になるように祈って下さい。』と言った。すると預言者さま(祝福と平安を)は、『サアドよ、ハラルのものだけを摂取しなさい。そうすれば、あらゆる懇願が受け入れて頂ける一人となるだろう。私の生命を手にしておられるアッラーに誓い、しもべが自分の胃に一口のハラムのものを入れたなら、その者の行いは40日間受け入れて頂けないだろう。肉体がハラムのものから育った者、その者は火獄の火を受けるに足るのである。』」
信者たちよ、常に確認を怠らず、ハラルのものだけを選びなさい。そうすれば、恐れることも、心配することもないではないか。アッラーは、クルアーン・撒き散らす者章において次のように述べておられる。
「誠、アッラーこそは、糧を授けられる御方。確かな威力の主であられる。」(51章 58節)

以上が、冒頭に掲げたハディースを通じて示された4つの事柄である。これらの事柄を、全てのムスリムが心に刻み込み、是非共その事柄を通して鍛錬して欲しいのである。

アッラーよ、ハラルのもので満たして下さい。ハラムから遠ざかるように御加護下さい。
アッラーよ、誰からの助けも要らないように、あなた様の恩恵で私たちを満たして下さい。
アッラーよ、私たちが正しい道を歩む事が出来るように御加護下さい。私たちの信仰心を強くして下さい。
アッラーよ、日本中に、世界中にイスラームを広められるように御力添え下さい。
アッラーよ、イスラームとムスリムたちの為に奉仕出来るように御加護と力を御与え下さい。
アッラーよ、病気の者たちを御治し下さい。仕事の無い者たちに清い仕事を御与え下さい。
アッラーよ、仕事に成功を、そして安心と安全を御与え下さい。アミィーン。
 
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