日本におけるダアワの環境的障害(日本語訳は下)
by al-Imam Mohsen Bayoumi
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翻訳:鵜川佳奈

 イスラムはあらゆる点において完璧な、力強い教えです。というのも、それは完璧な、宇宙の創造者であるアッラーによるものだからで、アッラーは被創造物にとって何が最善かをご存知だからです。しかし、この教えは人類にあまねく伝えられなければならないため、真実を伝え、詳細を説明することの出来る知識を持った強いムスリムが必要とされています。また、自分の生活の中で調和を作り出し、人間に対するイスラムの影響を示すことの出来るムスリムが必要とされています。そしてそのイスラムの人間に与える影響は、アッラーの使者―彼の上に平安あれ―がこのように述べています:「私は完璧で最良の???に使わされたのだ」。この偉大な手本にならい、ノン・ムスリムにイスラムの正しい姿を示すかどうかは、私たち自身の問題なのです。

 イスラムが普遍的な宗教で、あらゆる場所・時代における全ての人々に対してどのように生きるべきかを示している、という事実は、イスラムが現在にいたるまで世界のいたるところに普及してきたということからも示されています。日本人にイスラムが普及するのを妨げている環境的理由について分析してみると、その理由は、日本人の特性から来るものと、日本社会の特徴から来るものとがあります。

A.日本人の特性からくる理由

 ダアワを成功させるための必要条件の一つは、イスラムに招きいれようとしている人の人物を理解し、最適な方法を選ぶことです。日本人の特性や社会的慣習、対人方法などを習熟しようと試みれば、どうして日本人の特性がイスラムへの入信を妨げているかがわかるでしょう。

ダアワを妨げる日本人の主な特性

1. 孤立
 日本人は、世界から孤立していると感じています。このように孤立を感じるのは、四方を海に囲まれた地理的条件によるものです。その国の地理的・歴史的背景なしでは、その国の社会現象を完全に理解することはできません。日本の地理的位置と地形は、日本人の文化と信仰に大きく影響を与えてきました。この世界が「地球村」となった今では、もはや地理的孤立はありえない、とおっしゃる方もいるでしょう。確かにそれも一理ありますが、しかしなお、孤立の影響は現代日本の文化に深く刻み込まれているのです。日本人は未だに、恐れと憧れのまなざしをもって外国人と距離を置いて接しようとするし、一般的に外国人とは深い関係を持とうとしません。この孤立は2つの影響を持っています。

   i.孤立によって、同質性がもたらされました。日本人は世界で最も大きな同質的集団だ、とさえ言う研究者もいるほどです。この同質性によって、それ自体で宗教となるような硬直した伝統を持つ構造のなかで人々は結束するようになります。日本人はこのような伝統に従わなければならないという観念に駆られます。また、日本が完全な鎖国状態にあった1638年から1853年にかけての2世紀間にわたる日本の歴史的孤立も考慮に入れなければなりません。この孤立と同質性は、日本人がイスラムを受け入れるのを妨げています。というのも、日本人はイスラムを、日本文化とかけ離れた多文明に属する文化として捉えているからです。日本人はイスラム文明を尊敬するかもしれませんが、日本人の生き方には適していないと考えるでしょう。  >>>>次のページへ